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1年生 エシカル消費基礎講座(第3回)―障がい者支援・フェアトレード・児童労働・SDGs―

「エシカル消費≒みんなの幸せにつながる買い物」は、実はとても身近なのです


1年生の「総合的な探究の時間」=藤波タイムのエシカル基礎講座、3回目が実施されました。

第1回は、3年間のテーマである「エシカル消費」の全体像を学びました。第2回から第4回までは、2つの講演会の中から自分の興味・関心のある方を選びます。「選択と試行錯誤」を繰り返しながら、自分のエシカル消費に関するテーマを定めていきます。 

講義① とくしま障がい者就労支援協議会  吉田 和代さん  「障がい者支援」 

講義② 特定非営利活動法人 パルシック 木村優江さん・だしソムリエ 河口 晶さん 「フェアトレード・児童労働・SDGs」

 

◆講義① 吉田 和代さん「 障がい者が支えられるだけでなく、主役になれる社会に」

 「エシカル消費」とは、「(その商品は)どうやってつくられたのだろう? どういう人がつくったのだろう?という思いを巡らせたうえで買うことなんです」と、吉田さんは話してくださいました。

障がいのある人が何かをつくったり育てたり、サービスに従事したりしているお店で買い物や飲食をすることはエシカル消費です。なぜならそれは、障がい者の雇用促進障がいのある方がささえられるだけでなく、主役になれる場 を生み出すことにつながるからです。技術や熟練した技能をもつ障がい者の方を認定する「障がい者マイスター(=巨匠・名人)」という制度も2014年からスタートしています。その技術や技能を生かす場に、みんなの消費は必要とのことでした。

吉田さんの所属する「とくしま障がい者就労支援協議会」には県内にある障がい者施設の約半分が加盟しているそうです。お菓子やお弁当、間伐材や建設端材を活用した木工商品や藍染めの商品など、ものづくりや販売・サービスを通じて障害のある人と地域や社会とつながっていくことは、障がい者の「福祉=幸せや豊かさ」につながるとわかりました。

 ●生徒の感想

・今日はじめて「障がい者マイスター」という言葉を聞きました。

・「障がい者として働くのではなく、一人のアーティストとして働く」という言葉が印象に残りました。

・「エシカル消費条例」を制定したのは徳島が全国初だと知って驚きました。

・障がい者支援がどのようにエシカル消費にかかわっているのかなと思っていたけれど、今回の講演で、社会での思いやりや支えあいの点でもかかわっていることを知れました。

●探究のタネ動物

障がい者福祉  思いあい・支えあい  障がい者マイスター  障害者優先調達推進法  みんなでつながる輪  国連未来サミット   

   

◆講義② 木村優江さん「フェアトレードは、社会の問題をビジネスの仕組みで解決する方法です」・川口 晶さん「日本の身近なものを見直せばSDGsにつながります」

木村さんの所属するNGO法人「パルシック」では、東ティモールで生産されたコーヒーやスリランカの紅茶を仕入れ、日本で販売しています。そこで行われているのが「フェアトレード(=公正な貿易)」です。生産者とパルシックのようなフェアトレード団体とが直接つながり、次のような目標のもと、人と人との交流と信用を大切にしながら取り引きを行います。

晴れ生産者が、働いた分の収入がきちんと得られる

晴れ人種差別、女性差別がない

晴れ児童労働などがなく、子どもが学校に通える

晴れ大量の農薬使用などがなく、持続可能な生産ができる

晴れ組合などをつくることで生産者がつながり、互いに助け合い、ともに発展する

コロナ禍を経て、経済をはじめ様々な格差が広がっている今、私たちはその問題に目を背けず、できることをしなければなりません。フェアトレード認証マークのついたものを購入することもその一つだと学びました。

もう一人の講師である河口晶さんは、石井町在住で「だしソムリエ」として活動をされています。

和食に不可欠なものの一つが「だし」です。だしは地域ごとに使用する材料が違うそうです。「地域でたくさんとれる特産品をその地域で活用し、資源として価値を上げていくことが大切」と河口さんは話します。生産者と消費者とをつなげることで、生産者が「買ってくれる人がいる」と安心したうえで生産活動ができるCSA(地域支援型農業)が全国に広がり、徳島でも実施されていることも知ることができました。日本のよいものを守ることが、SDGsにつながるということを学ぶことができました。

 

 ●生徒の感想

・東ティモールでの活動を聞いて、生産者と消費者を結ぶきっかけとなるのが「協力すること」だと改めて思いました。

・自分も「民際協力」をやってみたいと思った。

・一人一人が「食」を見直し、1つの商品も一つの「大切な食糧」として、だれかの努力が報われるような何かを自分もしたいと思いました。

・二人の講師の先生の思いは同じで、支えあい、生産者と消費者をつなげることが大切なんだとわかりました。

・買い物をするときも、頭の中で考えながら買いたいと思った。

●探究のタネ 動物

民際協力  8:36億  生産者と消費者の対等な関係  フェアトレード  唯一無二の価値  新しい技術を使い日本のよいものをより使いやすく!